徒歩:中野駅7分・新中野駅5分
中野区中央5-39-13 1階
arrow up

糖尿病

こんな症状の方に
  • 血糖値が高いと言われた
  • 最近おなかまわりが気になる
  • 動脈硬化・心筋梗塞・脳梗塞が心配

➀ 糖尿病とは -なぜ糖尿病は怖いの?

糖尿病

糖尿病とは、膵臓から分泌されるインスリンというホルモンの作用不足により、血液の中の血糖(ブドウ糖)が過剰になった状態=高血糖状態・代謝異常が続く病気です。多少血糖値が高くても、自覚症状はほとんどありません。
中等度以上の高血糖により、下記の特徴のある症状が出ることがあります。

のどの渇き・多飲・多尿・体重減少

それ以外の場合には、自覚症状があまりなく、自覚のないまま病状・合併症が進むところが、糖尿病の怖いところです。

高血糖状態が急激に起こった時は 高度の脱水・代謝異常により昏睡に至り、命にかかわることもありますが、多くは、高血糖状態が長期間続いたことによる合併症【⑤糖尿病の合併症 参照】により、生活の質(QOL)が著しく低下し、苦しめられることになります。また、日本人の死因の上位である脳卒中(脳梗塞など)、心疾患(心筋梗塞など)を高率に引き起こしてしまいます。

 ➁ 糖尿病の人は多いの? 
40歳以上の3-4人に1人

40歳以上の男性3人に1人、女性4人に1人は糖尿病か予備軍が疑われる「国民病」です。

近年、糖尿病の人が急増しているのは、メディアなどを通じてご存知の方も多いかと思います。
厚生労働省の「平成28年国民健康・栄養調査結果の概要」の表(図1)からもわかるように、糖尿病または糖尿病予備軍をあわせると、約2050万人以上にのぼり、推計を始めた1997年(平成9年)以降右肩上がりで、現在まで約700万人も増えています。現代社会は、食べ過ぎ・飲みすぎ・運動不足・ストレスなど、糖尿病になりやすい条件が多くそろっています。自分の生活習慣を見直すことがとても大切です。

図2

➂ 糖尿病のタイプ

糖尿病・生活習慣病・メタボリックシンドローム

国民病ともいえるこれらの病気は、病名自体があまりに有名すぎ、また、関心も高いせいか、たくさんの情報があふれています。中には、無責任にもまったく根拠のないものも多く見受けられ、その点は患者さん自身もよく感じておられるからこそ、どれが自分に合ったものなのか、困惑する という声を多く聞きます。
自分の状態を正しく理解し、治療に取り組むことが大切です。

糖尿病はA.成因B.病態の両方の側面から分けると、診断から治療までが分かりやすくなります。

A.成因

  • <1>1型糖尿病
  • <2>2型糖尿病
  • <3>その他の特定の機序・疾患によるもの
  • <4>妊娠糖尿病

B.病態

  • ⅰ.インスリン非依存状態
  • ⅱ.インスリン依存状態

A.成因

大きく分けて、1型糖尿病/2型糖尿病/その他 と考えると分かりやすいと思います。

  • <1>1型糖尿病とは、主に自己免疫により、インスリンというホルモンを分泌する臓器である膵臓の細胞の破壊により起こります。自己免疫:自分で自分のことを攻撃してしまうのです。原因はまだ完全には明らかになっていませんが、遺伝要因に、何らかの誘因・環境因子が関わって起こります。基本的に肥満とは関係なく、家系内の糖尿病は、2型糖尿病に比べ多くありません。小児~思春期だけでなく、中高年でも見られます。
    『肥満 というわけではく、家族内に糖尿病も目立たない。まさか自分が糖尿病とは思っていなかったところ、突然 糖尿病の症状が現れ、検査で著名な高血糖を指摘される』というのが1型糖尿病の典型例の一つです。
  • <2>2型糖尿病とは、遺伝因子に環境因子が加わって発症します。
    インスリン分泌の低下や、インスリンが効きにくい状態:インスリン抵抗性 を起こす複数の遺伝因子 に 過食(特に高脂肪食)・運動不足などの環境因子 が加わって、インスリン作用不足となり発症するということです。家系内血縁者にしばしば糖尿病が認められます。40歳以上に多く、近年は若年発症も増加しています。肥満・または肥満の既往を多く認めます。
    『忙しく不摂生をしていて太ってしまった。最近 のどが渇く。親兄弟に糖尿病がいる。周りに検査を受けるように勧められている』
    というのが2型糖尿病の典型例の一つです。

B.病態

インスリン というホルモンを知ることが 糖尿病病態理解の鍵です。インスリンは、膵臓で作られるホルモンです。代謝に深く関わり、糖代謝だけでなく、実は脂質代謝、蛋白質代謝・骨代謝にも関わっています。

『糖』は私たちが生きていくためにとても大切なので、食事をしてもしていなくても、常に血液中に流れているしくみになっています。
血液中をただよう『糖』は、同じく血液内を流れるインスリンの助けを借りて細胞内に取り込まれ、活動するためのエネルギー源になります(図2)。

図1

(図2)正常では、『糖』が細胞の前に到着すると、インスリンが鍵の働きをして細胞の入り口をあけ、『糖』が細胞内に取り込まれます。このため、『糖』は血液の中にあふれることなく、血液中の『糖』の濃度は一定に保たれます。

このインスリンについて
①インスリン分泌不足
②インスリン抵抗性
があると血糖値が上昇します(図3)。

インスリン

① インスリン分泌不足:インスリンが不足していて『糖』のとりこみがうまくいかない
② インスリン抵抗性:インスリンがあるのに、うまく働けないため『糖』をうまくとりこめない

いずれも、血液中にうまく代謝されない『糖』があふれてしまいます。

このように代謝にかかわるインスリンは、生命維持に欠かせないホルモンです。
治療にあたる際、このインスリンにどれだけ依存しているかで、選択肢が変わります。

  • インスリン非依存状態
  • インスリン依存状態

つまり、1型糖尿病であっても、発症初期には食事療法と運動療法で良好な血糖コントロールが得られるインスリン非依存状態である場合や、2型糖尿病であっても、感染や清涼飲料水の多飲によりケトアシドーシスという代謝異常をきたし、救命の為にインスリンが必要なインスリン依存状態になることがあるということです。

➃ 糖尿病の診断

糖尿病の診断

血液検査で行います。
血糖値とHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)を組み合わせて判定を行い、「糖尿病型」「境界型」「正常型」と分けられます。
血糖のみでも、糖尿病の典型的な症状がある場合などは、1回の検査で糖尿病と診断されます。値によっては、複数回検査を行うことがあります。なお、HbA1cだけの反復検査だけでは糖尿病と判断することはできず、少なくとも1回は血糖値が糖尿病型を示すことが必須となります(HbA1cは過去1-2か月の血糖レベルの平均値を表す指標であり、血糖の日内変動や日差変動は評価が難しいためです)。
境界型 の方も、そのままにしておくと糖尿病に進行してしまう可能性が高く、また動脈硬化の進んだ状態にいることが分かってきたので、注意が必要です。

*きちんとした診断を受け、自身の状態を評価し、見直すことが大変重要です。

➄ 糖尿病の合併症

急性合併症

高血糖によるのどの渇き・だるさ→高度脱水・意識障害・昏睡

慢性合併症

三大合併症

  • 糖尿病網膜症(成人失明原因No.1)
  • 糖尿病腎症(透析導入原因No.1)
  • 糖尿病神経障害 手足のしびれ こむらがえり、自律神経障害 足壊疽
  • 動脈硬化
     ・心筋梗塞・狭心症
     ・脳卒中(脳梗塞・脳出血)
  • 易感染性(感染症にかかりやすい)
  • 高血圧症・脂質異常症(高脂血症)の合併
  • 歯周病

慢性的に 高血糖状態・代謝異常が続く場合、目(視覚にかかわる網膜)、腎臓の細い血管・全身の血管の動脈硬化を引き起こし、悪化させます。

糖尿病網膜症は、年間約3000人以上の失明を引き起こします。
糖尿病腎症は、年間約16000人以上、新規血液透析導入となります。
糖尿病神経障害は、足壊疽により年間3000人以上、切断となります。

心筋梗塞・脳梗塞になるリスクの増加。
 激痛といわれる心筋梗塞ですが、糖尿病神経障害により、あまり症状が出ずに気が付くのが遅れる方もいます。

認知症の増加。
 感染症になりやすくなり、一部の癌の発生率は、糖尿病ではない方より増加します。

*合併症がある程度進行すると、進行を止めるのが難しくなります。
*できるだけ早く合併症を発見し、治療することが重要です。

➅ 糖尿病の治療

まずは 気付いて 見直すこと、からです。

糖尿病は自覚症状に乏しく、ほっておくといつの間にか 患者さんの生活の質を大きく損ねかねない合併症が進行します。
だからこそ早期に発見し、生活習慣の見直しをすることが大切です。

治療のスタートは

発見すること。

生活習慣の見直しをすること。

治療の柱は 食事療法 運動療法

生活習慣病といわれる糖尿病。
1日3食あるいはそれ以上口に運ぶ食事習慣
代謝の改善につながる運動習慣
がとても大切です。
食事習慣・運動習慣の改善が基礎であり、その上で、
薬物療法(内服薬、インスリン療法など)があります。

糖尿病は、様々な病態・病状で経過します。
成因【1型/2型/その他の特定の型:③)糖尿病のタイプ項参照】とともに、病態・病期【血糖レベル/インスリン依存状態】をあわせて考えて治療を行うことが大切です。

そして、目指すのは

糖尿病の合併症を防ぎ、患者さんの生活の質を大きく損なうことなく、過ごしていくこと

ではないでしょうか。

 ➆ 糖尿病の治療で大切なこと 
-当院が大切にしていること-

最後に糖尿病治療で無視してはいけないものは何でしょうか。

生活に根差した病気だからこそ 生活を大切にした治療

生活習慣病は大変有名で、健康へのみなさんの高い関心からか、
『健康』を取り扱った特集を多く見かけ、たくさんの情報があふれています。しかし、中には糖尿病の方にはあてはまらないもの、危険を伴うものも多くあります。

  • 極端な食事制限
  • 偏った食事療法
  • 糖質完全制限食
  • 無理な運動
  • 無理な減量

これらにより、むしろ健康を害してしまうことの方が多いのです。

  • 過食してしまったら断食すればいい
  • 〇〇のみ健康法
  • 甘いものは絶対ダメ
  • インスリンを始めたら一生

といった誤った知識も、結果的に患者さんを不幸にします。

食欲は 人間の三大欲求の一つです。
それをおさえて一生懸命努力していても、もしその努力の方向・力加減がずれていたら こんな不幸なことはありません。

今やっていることが正しいのか相談できず不安。
合併症への不安。

人間 ずっと全力疾走することはできない。
糖尿病の患者さんの多くは、それぞれのベストを尽くしている

これは、日々患者さんと接してきて感じることです。
糖尿病患者さんの多くは、皆様のペースで頑張っておられます。
糖尿病をうまくコントロールできないと、危険な合併症のリスクが高まることは、もはや多くの患者さんが理解しています。治療に取り組む中で感情的にも奮闘しています。
糖尿病は、食事 果ては 代謝 という 私たちの日常に欠かせないものに深くかかわる病気だからこそ、正しい知識をもって、努力が治療にきちんと結びつくようにすることが大切だと思います。

当院の理念は 

確かな医療技術と幅広い知識で あなたの全人的サポートを

糖尿病が生活に根差した病気だからこそ、
患者さんの生活・仕事・大切にしていること
患者さんの背景を考えながら 治療にあたっていきます。

あなたの全人的サポートを_1
あなたの全人的サポートを_2

院内設備

全自動血球計数・免疫反応測定装置

全自動血球計数・免疫反応測定装置

炎症反応(CRP)、白血球数、血小板数、貧血、HbA1cを約10分間で調べることが出来る装置です。感染症の有無や貧血、糖尿病の診断・評価を、迅速に行うことができます。

乾式臨床化学分析検査

乾式臨床化学分析検査(臨床化学分析装置)

肝臓・腎臓機能、コレステロール値などを約10分間で調べることが出来る検査機器です。 急性疾患の診断、治療の効果判定、副作用の早期発見のため、可能な限り迅速に検査結果を得ることが重要と考え導入しております。

尿化学分析装置

尿化学分析装置

尿検査にて尿タンパク・尿潜血・尿糖・尿中白血球数などを短時間で調べることが出来る検査機器です。糖尿病の合併症の評価や、泌尿器疾患の発見などに役立ちます。

糖尿病治療関連機器

糖尿病治療関連機器

インスリン療法に関わる様々なメーカーの機器を取り扱っております。 患者様ひとり一人に合った機器をご提案致します。

電話 オンライン
診療
WEB予約 WEB問診